関東一(東京)のエース中村祐太(2年)が、幼少期から憧れていた横浜(神奈川)に直球勝負で成長の姿を披露する。3月31日に予定されていた第84回選抜高校野球10日目は、雨天のため今日1日に順延。準々決勝の出場予定4校は甲子園の室内練習場で1時間半の調整を行い、中村はブルペンで30球を投じた。決勝は3日にずれ込んだ。

 大好きだったグレーのユニホームに真っ向勝負を挑む。江戸川中央シニア出身のエース中村は関東一から自転車で約15分の距離に住んでいたが、江戸川南シニア出身の松坂(現レッドソックス)が活躍した横浜に幼少期から憧れていた。中学卒業時は横浜進学を希望したが、当時は制球力に難があり控え投手兼外野手。中央シニアの1年先輩の山内、同学年の長谷川が横浜に進むも、中村に声は掛からなかった。

 敵としてだが、大舞台で成長した姿をアピールするチャンスだ。ブルペンでは捕手を座らせ30球の投球練習。30分の長風呂やストレッチで、直球で押しまくった2回戦(智弁学園戦)の疲労は抜けており「腕は軽くて振れている。一番対戦したかった。真っすぐでドンドン押せればいい。横浜なんで対応してくると思う。対策しても打たれないようにしたい」とスライド登板にも自信をのぞかせた。

 最近読んだ本は「ひたむきに-松坂大輔、“超一流”への道」。著者は相手指揮官の渡辺監督だ。「高校時代に松坂は人一倍走っていたと書いてあった」と刺激を受けた2年生エース。冬場の走り込みの成果を渡辺監督に披露し、恩返しをする。【斎藤直樹】