<春季高校野球北海道大会:武修館10-2釧路工>◇21日◇釧根地区代表決定戦◇釧路市民
武修館が7回コールドで釧路工を下し、2年連続3度目の全道出場を決めた。背番号12の大黒柱、伊藤慎一投手(3年)が6回8安打2失点も10奪三振の力投。地区全4試合に先発し計28回3失点(自責2)のほか、この日は打撃でも3安打3打点と投打でチームをけん引した。
7回表、武修館ベンチで臨時ミーティングが始まった。先発した伊藤が言い始めた。「7回裏は武田(悠也=2年)に投げさせて下さい」と、島影隆啓監督(30)に願い出た。10-2と点差が開き、あと1イニングを1失点以内なら試合終了。伊藤は、今大会まだ1度も登板機会のない背番号1にマウンドを譲ろうとした。後輩に少しでも経験を積ませよう、自信をつけてほしいという思いからの継投願いだった。
背番号12ながら伊藤がチームの大黒柱だ。169センチ右腕で最速141キロを誇り、スライダー、カーブ、カットボール、フォークと変化球も多彩。3月の茨城遠征で左肩を脱臼し、出遅れて背番号2ケタとなったが、昨年の春、秋と背番号1をつけた。4月下旬に練習を再開し、3日連続を含む地区4試合に先発。「春の投げ込み不足で3連投はきつかった。武田も良く投げたし、うれしい」と、ホッとした表情を見せた。
2失点の投球だけでなく、打っても中心だった。5番打者として、チームの先発全員14安打の猛攻の主役となった。5回に左越え二塁打、続く6回も左越え三塁打で計3打点。チームはこのオフ、「脱伊藤」を目指してきたが、島影監督は「これじゃあ、まだまだ伊藤頼り」と苦笑いを浮かべた。
伊藤が1年夏、ベンチ入りはできなかったがチームが北北海道大会準優勝。当時の主戦だった上田昌人が練習で走る姿を目に焼き付けている。「下半身はしっかりと鍛えています」と話す。春の全道は09、11年と函館大有斗に初戦敗退。島影監督も伊藤も、函館地区の代表校は決まっていないが「函館大有斗とやり、勝ちたい」とキッパリ。春の全道初勝利は宿敵からと狙いを定めていた。【中尾猛】

