<高校野球鹿児島大会:鹿児島工3-0明桜館>◇18日◇3回戦◇県立鴨池球場

 プロ注目の鹿児島工の右腕江口昌太投手(3年)が明桜館に勝利した。

 鹿児島工の148キロ右腕江口が明桜館を5安打完封した。奪った三振は9つ。4球団のスカウトが見守る中、直球の最速は141キロをマークした。「直球の走りが良くなかった。今日は打たせて取る投球を心がけました」。通常より変化球を多めに投げ、直球主体の本来の投球とはほど遠い内容に不満顔だったが、ドラフト候補の実力を見せつけた。

 調子は万全でなかった。初戦の3日前、練習中に打球を右足ふくらはぎに当てた。大会前の雨で練習試合もできず、実戦での投げ込みはほとんどできなかった。

 自分の投げる球に自信が持てず、中迫俊明監督(52)に「球が走ってないんですけど」と相談までした。「そのうち(調子が)出るよ」と言われ、気持ちを入れ替えて臨んでいた。

 常に「どんなに悪いときでも完封するのがエース」と中迫監督には言われている。この日はエースのノルマは果たした。「次も完封を目指します」と、江口は言葉に力を込めた。

 ◆江口昌太(えぐち・しょうた)1994年(平6)4月25日、鹿児島市生まれ。中名小1年のときソフトボールを始め、喜入中では野球部。3年のときエース。高校入学後は2年春にベンチ入りし、秋からエース。好きな選手は高校の先輩のマリナーズ川崎、日本ハム榎下。181センチ、76キロ。右投げ右打ち。