<センバツ高校野球:利府10-4掛川西>◇27日◇1回戦

 初出場の利府(宮城)は21世紀枠出場校最多となる17安打を放ち、10-4で掛川西(静岡)に大勝。

 安打の嵐に、利府スタンドはお祭り騒ぎだ。掛川西から5回まで毎回15安打10点で、勝負をつけた。3安打1打点3得点の1番・遠藤聖拓主将(3年)は「うちはつながると勢いがつく。見えない力があるんです」と、笑って大勝を振り返った。

 清掃活動や梨園の授粉作業の手伝いなどの地域貢献が評価された。創部26年目で初の聖地。進学校で練習時間やグラウンド環境も限られる中、学校近隣の町営球場を借りて練習を積んできた。選手は全員が携帯電話の個人ブログを所持。1日の出来事を更新し、それに仲間が励ましのコメントを書き込むなどして、団結力を高めてきた。

 中盤までの猛攻に「練習でもないこと」と笑顔の小原仁史監督(46)。成長を遂げる公立の星が、快進撃を続ける。【由本裕貴】