<センバツ高校野球:甲子園練習>◇17日◇甲子園

 第82回選抜高校野球大会(21日開幕、甲子園)の出場校の甲子園練習が始まり、トップを切って広島の広陵が聖地の土を踏んだ。午前8時半の練習開始を告げるサイレンとともに一塁側ベンチから飛び出した選手たちは、ホームベース後方に並んで校歌を斉唱。その後グラウンドに散り、守備練習とベースランニングなどで割り当ての30分を使い切った。

 「1発出そうな気がします」。甲子園の広さを体感してそう明かしたのは、2年生4番の丸子達也内野手だ。1年春から4番に座り、昨秋新チーム結成後の公式戦ではチームトップの12打点。公式戦と練習試合を合わせた4本塁打もチームトップタイの長距離砲だ。冬の間は長距離と10メートルの短距離ダッシュを組み合わせた走り込みで下半身を鍛え「飛距離が伸びた」と手応えをつかんだ。自信が初めて足を踏み入れた甲子園での「アーチ宣言」になった。

 昨秋までの3番から6番に回る御子柴大輝外野手(3年)は、甲子園との再会に胸を弾ませた。父は元阪神投手の御子柴進氏(45=阪神スコアラー)。97年の父の引退試合では花束を渡し、小学3年のオフにはグラウンドでキャッチボールもした。「選手として戻ってこられるなんて夢のようです。22日の初戦、出来れば見に来てほしい」と父への願いを明かした。

 強力打線にプロ注目の有原航平(3年)ら層の厚い投手陣を擁し、堂々の優勝候補。7年ぶり4度目の春制覇に、広陵が発進した。【堀まどか】