第90回全国高校野球選手権大会(2日開幕、甲子園)に、静岡県代表として出場する常葉学園菊川のエース戸狩聡希(3年)が7月31日、左ひじ痛を発症した。チームは京都市のNTT西日本グラウンドで約3時間の練習を行ったが、戸狩は完全ノースローで調整を終えた。8日の初戦(対福知山成美=京都)まで時間はあるが、エースの故障は不安材料だ。

 練習開始直後、ウオーミングアップを終えると、左腕を押さえた戸狩がベンチに飛び込んだ。佐野心監督(41)に、左ひじの痛みを訴えた。「ひじが痛い。初めてです。休んだのが、いけなかった」。この日はランニングと打撃練習だけで調整を終え、キャッチボールも含めて完全ノースローだった。

 静岡大会決勝の7月25日以降、29日までチーム練習は休みだった。キャッチボール程度の調整はしていた戸狩だが「今までこんなに休んだことがなかった」と戸惑いがあった。そして前日30日。大阪入り後の初練習を行い、ブルペンで92球を投げたのがヒジ痛を誘発した。これまで肩、ひじに故障歴はなく、初めて味わう痛みだった。

 開幕を目前に控えたアクシデント。だが「明日、治る可能性は低いけど(試合が)大会7日目で良かった」と状態を説明する戸狩の表情に、暗さはない。佐野監督にも焦りの色はなく「大丈夫。全然、問題ない。(戸狩は)休ませるとダメ。まだ焦ってない。あいつの場合、調整は(試合の)2日前からでいいから」と説明した。

 とはいえ、エースが初戦に間に合わないとなれば一大事。初の故障だけに、不安がまったくないわけではない。今後の回復具合が注目される。【斎藤直樹】