<高校野球南北海道大会>◇27日◇函館地区代表戦

 Bブロックで、古豪函館工が13-1の5回コールドで函館中部を下し、2年ぶり32度目の南北海道大会進出を決めた。横手投げエース花田綜司(3年)が、地区予選期間中に体調不良に見舞われながら、3試合(23イニング)完投で導いた。

 ド派手に両手を突き上げた。最後の打者を打ち取ると函館工のエース花田が、“Yポーズ”のまま喜びを全身で感じていた。周りに笑顔のナインが集まった。夏は2年ぶりの円山切符。戻った控室でも「ヨシッ」「ヨッシャー」「ウォリャー」の声が何度も響き、ハイテンションのお祭り騒ぎだった。

 相手のミスに付け込み、2回に一挙7得点。5回にも長短5安打を集め、函館中部を突き放した。投げてはサイドスロー花田が内野ゴロでの1失点に抑え、今夏は初のコールド勝ち。小早川賢輔監督(52)は「花田の円山デビューが決まりましたね。目標だったので感慨深いです」と表情を緩ませた。

 地区3試合を投げ抜いた主戦の誕生は、昨夏がきっかけだった。外野練習をしていた花田を見た京都出身の小早川監督がひと言。「あれだれやねん」。手首の使い方に目がとまった。中学時代は捕手、高校入学後も外野手が中心だった花田の投手転向裏話だった。

 スナップを生かした下手投げから始め、横手投げが定着。昨秋は背番号10、今春に背番号1を奪取した。今夏は24日に体調が急変し、点滴治療もしたが、3試合23イニング3失点で乗り切った。花田は「入学時は自分がエースなんて、部員のだれもが考えてなかった。外野だったらベンチにも入れなかったかも」と笑った。

 チームは4季ぶり道大会進出。今冬は、1個約1000円のけん玉を3個購入。打撃練習前後に、けん玉をすることで「カーブで体が浮かないような感覚」を身に付けた。「ひじの使い方が同じ」というメンコを投げる練習もしたアイデア監督と横手投げエース。南大会は7月14日に開幕。花田は「やれることの最大をやっていく」と、ひと暴れを誓っていた。【村上秀明】