<高校野球南北海道大会>◇3日◇小樽地区2回戦
“マイケル魂”注入で優勝候補が好発進した。小樽地区で春季全道大会準Vの北照が、夏初戦で岩内を6-0で下した。試合開始直前に河上敬也監督(50)が6月25日(日本時間26日)に急死した米人気歌手マイケル・ジャクソンさん(享年50)の「This
is
it(これが最後だ)」という言葉で選手たちを鼓舞。4回に小本清智捕手(3年)、8回には西田明央二塁手(2年)がソロ本塁打を放つ活躍などでチームを勝利に導いた。
試合前、選手を前に河上監督が英語を口にした。「This
is
it!」。キョトンとする選手たちに付け加えた。「これが最後だという意味。この試合が最後という覚悟で戦おう」と引き締めた。急死したマイケルさんが3月、「これ(ロンドン公演)が最後になるだろう」と会見した時の言葉だった。「ジャクソン5のころから聴いていたからね」と、同じ年のスター急死にショックを受けながらも、チームの活力に変えた。
その言葉に触発されたナインは、バットで応えた。まずは主砲の1発だ。4回1死から4番小本が滞空時間の長い左越えのアーチで0-0の均衡を破った。「監督からいつも『誰も打てないときこそ4番が打つんだ』と言われていました。その仕事ができて良かった」。1年生の秋からレギュラーを獲得。5月に右手人さし指を骨折していた主砲の復活の1発でチームは乗った。8回1死、今度は5番の西田がライナーで左翼スタンドに運んだ。最終的に10安打6点で活発な打線が勝利を引き寄せた。
長打力はチーム史上過去最高と指揮官は太鼓判を押す。両翼105メートルの練習場には高さ10メートルの外野フェンスを設置。打球がそのネットを越えた選手はいずれもプロ、社会人野球に進んだ。今年は小本、西田を含め4選手がフェンス越え経験者だ。今年の春の地区大会で5本、道大会で1本、この日2本と今年8試合で8本塁打を記録した。
長打力アップには秘密がある。オフに股(こ)関節を柔らかくする練習を取り入れている。時にはマイケルさんのように音楽のリズムに合わせて踊る。その効果を西田は言う。「下半身が安定した。春に打撃練習してびっくりするほど打球が飛んだ」。河上監督は「今年は逆に長距離砲がそろいすぎたところもある。(試合前の言葉は)少し脅かし過ぎたかもしれない。でも油断は大敵。野球は何が起こるか分からない」と話す。大砲ぞろいのチームが夏のスタートを切った。【上野耕太郎】


