<高校野球和歌山大会>◇19日◇3回戦

 近畿NO・1左腕が貫禄の奪三振ショー!

 今秋ドラフト1位候補の智弁和歌山・岡田俊哉投手(3年)が初登板した。リリーフで5回1/3イニングを投げ、5者連続を含む9奪三振などで、和歌山高専を8-1で下し、視察に来たプロ球団スカウトの目を釘付けにした。

 岡田の登場に球場がどよめいた。智弁和歌山のエース岡田が1ー1同点の4回2死一、二塁で緊急登板。和歌山高専の9番・吉村を宝刀スライダーで空振り三振に仕留めたのが、奪三振ショーの幕開けだった。

 続く5回、先頭打者こそ三塁強襲安打で出塁を許したが3、4番の中軸を速球とスライダーの組み立てで連続三振に仕留める。圧巻は6回。直球の最速141キロをマークし、3者連続で三振を奪った。終わってみれば16アウト中5者連続を含む9奪三振の「ドクターK」ぶりを発揮した。

 「三振はチームのためにリズム良く投げたら、たまたま取れただけです。今日はすぐにバテてしまったし、自分の内容はいいです」。岡田は控えめなコメントしか出さなかった。高嶋仁監督(63)も「まだ本人は納得していない内容では」と“こんなものではない”といいたげだった。

 181センチ、68キロとスリムな体型。初登板とはいえ走り込みを中心に体を限界まで追い込んできた。「今は疲れがピーク。これから調子を上げていきたい」と和歌山の頂点を目指す戦いに意欲をみせる。ネット裏には巨人、中日、ヤクルト、オリックス、楽天と5球団のスカウトが集結。スピードガン片手に熱視線を浴びせていたが、岡田は「チームの勝利に貢献することしか考えていません」。今は甲子園しか見えていない。