また新たな問題がアスレチックスで起こってしまった。主に指名打者を務めるビリー・バトラー一塁手がロッカールームでチームメートに殴られ、脳しんとうを起こし、欠場を余儀なくされてしまったのである。

 事件が起こったのはホワイトソックス戦が行われた現地19日で、殴ったのはダニー・バレンシア三塁手。地元紙サンフランシスコ・クロニクルによると、バトラーが用具担当者と、契約外の企業のシューズを履いていたため契約が終了するかもしれないという内容の話をしていたところ、バレンシアがバトラーに立ちふさがり「大声でしゃべるな。おまえが悪い」と話した上で、暴言を吐いたのだとか。それを契機に2人はチームメートに引き離されるまで取っ組み合いのけんかになったということだ。

 デイビッド・フォレストGMはこの件に関し、スポーツ専門局ESPNに対して「クラブハウスで口論があった。我々はこの件を注視している。どちらの選手も規律にのっとり、罰金を科される。我々はこの問題を乗り越えるべく動いている。それだけだ。組織の観点からこの問題は解決され、この問題を乗り越えるべく動いている」と語っている。

 バトラーは脳しんとうの治療を受けており、7日間の負傷者リスト入りを余儀なくされた。

 バレンシアは「彼は自分のチームメートなだけだ。自分は彼を尊敬している。彼も自分を尊敬して欲しい」と話したということだ。

 一方バトラーは24日になって「あれはリアクションだったと思います。自分のしたことを後悔しており、彼が彼のしたことを後悔していることを知っています。自分に起こったことの結果について、公にしなければなりませんでした。起こすべきではなかったし、それは彼も同じです。彼は自分を脳しんとうにしようとは思っていなかったとわかっている意味からも、自分が声明を出すことがフェアだと思います」と謝罪している。

 ただ気になるのはフォレストGMが当初この件について公にしなかったことについて「残念なことに我々が過ごしているようなシーズンだから、この問題は大きなストーリーになっている」と話している点だ。アスレチックスは24日時点で55勝72敗と大きく負け越している。そんなチームでの事件だからこそ、注目されてしまったと言いたかったのだろうが、むしろそんな不調のチームだからこそ、こんな事件が起こったのでは、と思えてしまうのである。