レンジャーズとマイナー契約を結んだ元DeNA冨田康祐投手(26)が、メジャーのオープン戦に初めて登板しセーブを挙げた。アスレチックス戦で、3点リードの9回2死満塁に8番手として登板。オープン戦で3割以上を打ち長打力のある新人ハサンと対し、初球のスライダーで見逃しストライクを取ると、2球目で素早くカウント0-2に追い込む落ち着きぶりだった。最後は得意のフォークボールで空振りを奪い、3球三振で見事セーブを記録。「ガッツポーズしちゃいました」とちゃめっ気たっぷりに笑顔を見せた。

 この日はバックアップ要員として試合に待機しており、突然回ってきた出番。「どきどきしたけど、球場の雰囲気を楽しむ余裕があった」と登板を振り返った。DeNAでは1軍で1試合の登板に終わったが、2軍では通算16セーブを挙げており、クローザーの経験が役立った。名門PL学園では広島前田健太と同級だったが、エース前田の陰に隠れ常に2番手。DeNAにも11年の育成ドラフトで入団した苦労人だが、オープン戦とはいえ前田より一足先にメジャーのマウンドを踏んだ。

 マイナー契約で入団しメジャーの招待選手ですらない立場だが、こうしてチャンスが与えられれば、夢も大きく膨らむ。始まったばかりのマイナーキャンプでいきなりチャンスをもらった冨田は「結果を出し続けてこの舞台で投げたい」と決意を新たにしていた。

 ◆冨田康祐(とみた・こうすけ)1988年(昭63)4月24日生まれ。愛知県出身。PL学園では前田(広島)の控え投手。3年センバツでは8番中堅で全試合に出場。青学大ではドラフトで指名漏れし、中退。四国アイランドリーグの香川に進み、11年に育成ドラフト1位でDeNA入団。13年7月に支配下登録され、14年に戦力外通告。12球団合同トライアウトを経てレンジャーズと契約。1軍通算は1試合0勝0敗、防御率27・00。186センチ、86キロ。右投げ右打ち。