マーリンズのイチロー外野手(42)が1日(日本時間2日)、ブルワーズ戦に「1番左翼」でスタメン出場し、5打数1安打。マ軍は大敗した一方で、衰え知らずの足と肩を披露した。

 先頭で迎えた3回表、遊撃頭上の打球を左翼手がこぼすのを見届けると、すかさず二塁へ到達(記録は二塁打)。さらに2番プラードの中前打で三塁を蹴ると、トップスピードのまま滑り込み、捕手のタッチをかいくぐるように左手で本塁に触れた。いずれのスライディングも、送球ラインからもっとも離れたスペースに滑るイチローならではの技術。「僕にとってごく普通のプレー」と話す一方で、「本能的ですね、それは。頭で考えるというよりね」と、涼しい顔で振り返った。

 守備では、4回無死満塁から左前打を捕球すると、本塁へワンバウンドでストライク返球。完璧なタイミングで、二塁走者をアウトに仕留めて、今季初補殺を記録した。「余裕です。全力で投げてないですし、普通にストライクを投げれば、という感じです」と、こちらもサラリと「解説」した。

 4月29日に達成したメジャー通算500盗塁に続き、この日は快足&強肩で健在ぶりを発揮。「怖くないですからね、全力で走るとか、ジャンプするとか、スライディングするとか、壁にぶつかっていく怖さもないので。結局、自分の体をどう管理できているか、知ってるかです」。日米通算25年目。イチローの言葉の力強さは、今も変わらぬスピードが証明していた。(ミルウォーキー=四竈衛)