ヤンキースが21日、09年以来8年ぶりのワールドシリーズ進出を逃した。田中将大投手(28)が第5戦に勝利して王手をかけていたが、アストロズとのリーグ優勝決定シリーズ第7戦で敗戦。田中はワールドシリーズに進出していれば第1戦先発が確実だったが、それも夢に終わった。

 落胆ムードのクラブハウスで、田中は今季を振り返った。前半戦は8登板連続白星なしという野球人生最大のスランプに陥り苦しんだが、後半戦で立ち直り、ポストシーズンでは3試合で2勝1敗、防御率0・90で、ローテの大黒柱となった。「自分に立ちはだかっているものに対して、結局は向き合わないとそれを乗り越えることはできないと思うので。その事実と向き合いながら、向上していくっていう気持ちだけは常に持って、戦ってました」。時には真剣な表情を見せ、時には笑みもこぼしながら、この1年を思い返した。

 地元ニューヨークでは、田中の去就が注目されている。ヤ軍とは20年まであと3年契約があるが、今オフに自らFAになる選択権を持っている。キャッシュマンGMは「タナカは大変な貢献をしてくれた」と称賛し「FAになる権利を彼が行使したら、球団がどうするかはまた後日話し合う。オーナー陣がどう考えるか」と話した。田中は「それは、しっかり話して決めたいと思います」と今後熟考する意向。FAとなるか契約を継続するか、決定期限はワールドシリーズ終了から3日間となる。(ヒューストン=水次祥子)