【アナハイム(米カリフォルニア州)9日(日本時間10日)=四竈衛、斎藤庸裕通信員】エンゼルスに移籍する大谷翔平投手(23)が、本拠地エンゼルスタジアムで入団会見に臨んだ。競技発祥国でも異例の二刀流挑戦を表明し、伝説の名選手ベーブ・ルースに「少しずつ近づいていきたい」と決意を新たにした。米国流スピーチにジョークも交えて約1000人のファンを沸かせた。今日11日早朝にも日本に帰国し、メジャー1年目の本格的な準備に取りかかる予定だ。
◆野外の会見場
-決め手は
「たくさんの球団の方々とお話しする機会をいただいて、本当に感謝しています。エンゼルスだけでなくて、僕にお話をいただいた全部の球団に感謝しているんですけど、その中でミーティングを行って、本当にエンゼルスと縁みたいなものを感じたので、本当にいい球団だなと思ってお世話になろうと決めました」
-ミーティングの際、電話でトラウトとは何を話したのか
「結婚式で来られないというので、テレビ電話で話をさせていただいたんですけど。それはそうだなと思って、奥さんを大事にしてほしいと思ってました」
-過去在籍した日本選手の影響は
「そういう気持ちはなくて、真っさらな気持ち。何もなく各球団の方々と話させていただきましたし、オープンな気持ちでというか、そういう気持ちで話していく中で、ここに行きたいなという気持ちでお世話になろうと思いました」
-トラウトから何を聞いた
「いいチームだと聞きましたし、一緒にプレーしたいという言葉をいただいたので、本当にうれしかったです」
-つながりを感じたと言ったが、具体的には
「それはほんとに感覚的なもので、どの球団も素晴らしいお話を聞けたと思っていますし、これはなにか優劣がつくものではなくて、気持ちの部分でエンゼルスにしたいなというものが僕の中に出てきたので決めました」
-最初の試合は投手としての1勝か、打者として初本塁打か
「どちらも楽しみにしていますし、最高なのは、どちらも一緒の試合でできることだと思っています」
-ファンを前にした感想は
「日本でもプレーするときはもっと多くの方がいたりするんですけど、こういうふうにしゃべるというのはあまり慣れてなくて、聞き取りづらかったら申し訳ないなと思います。今はすごく緊張しています」
◆球場内での質疑応答
-背番号17は花巻東の出世番号だが
「27番は冗談だとしても、特に意味があるということではないです」
-トラウト、プホルスから学びたいことは
「逆に学ぶところしかないと思うので、すべて野球のこともそうですし、全部見て学ぶこともあれば、聞いてみることもあるんじゃないかと思います」
-ここまでは思い描いた通りか
「これだけ集まってもらってうれしい気持ちもあるんですけど、これがスタートライン。ここからが始まりですし、これから先の方がより大事じゃないかと思います」
-ここまで難しかったか
「僕も初めてなのでどうなるのかなというのが率直な気持ちだったんですけど、ホントにCAAの方々が僕のやりやすいように何回も何回もミーティングをしてくれて、決まった期限の中でやるのは大変だったと思うんですけど、みんな寝ないで頑張ってくれたりとか、本当に僕がいい道を行けるように手伝ってくれたなと思います」
-英語力は
「ないですね。野球選手なので野球が基本になるかなと思ってましたし、まず一番大事になってくるのは野球の技術。言葉も自分でコミュニケーション取るのは大事なことだと思いますので、今後、勉強していけたらと思います」
-今までは寮生活。心配は
「寮からメジャーリーグに来る選手はいないと思うので、そういう意味では不安な点もありますし…」
-決まった心境
「ワクワクしますし、すごく楽しみな気持ちもあります。これ以上ないというくらい濃い1日1日が続いていたので、エンゼルスにお願いしますという球団があるということは、他に断らなきゃいけない球団が出てきてしまう。すべての人にとっていい人になれないという、そういう申し訳なさも感じました。これだけ一生懸命、資料を送ってくれたり、いろんな球団の方がお話ししてくれてる中で、結局、1つの球団にしか行けないことに関してはすごく悩みました」
-5年前に来ていれば
「それは結果論でしかないので、あの時、行っていればということはないです。ただ、ファイターズの監督もそうですし、こっちに来ると決めた時もいろいろと話してきたので、その中で自分たちのやってきたことは、決して遠回りではなかったという自信を持って、みんなに送り出していただけたので、僕もそう思ってますし、ベストな選択をして、今、ここに来ているという気持ちではいます」
-ロサンゼルスの印象
「こっちでは、トレーニングをして、ミーティングをして、事務所の行き帰りはほとんど夜で、ロサンゼルスを楽しむヒマはなかったです」