西武の工藤公康は引退を表明したランディ・ジョンソン投手と同じ1963年生まれの46歳。オフには米アリゾナ州で一緒に体を動かしたこともあった。「どっちが長くやるかと言っていたけど…」と6日、盟友の引退をしみじみ語った。

 高いプロ意識を持つ左腕同士は、トレーニングを通じて高め合ってきた。「体が大きい割には筋肉の柔軟性はすごかった」。度重なる故障に苦しんだジョンソンに「抑え気味で160キロくらい投げていた。本当に体が強ければ何キロくらい出たのかな」と惜しんだ。

 何よりも工藤が尊敬するのが、先発として結果を残し続けたことだ。「過酷なメジャーの先発を22シーズン投げ切ったのはすごい」。ドジャースなど大リーグで12年間投げた野茂の名前を挙げ、「10シーズンでも化け物と思ったのに、(ジョンソンは)おれからしてみたらスーパーマン」と工藤らしい表現で称賛した。

 いつかはゴルフをやろうという約束はまだ果たされていない。「そういう時間がお互いとれるなら、話もしたいな」。工藤が久しぶりに古巣の所沢で始動した日に、ジョンソンが引退を表明したのも、何かの縁だったのかもしれない。