<オープン戦:ジャイアンツ2-6マリナーズ>◇11日(日本時間12日)◇米アリゾナ州スコッツデール

 痛烈な打球が一塁線をあっという間に抜け、マリナーズ・イチロー外野手(36)は悠々と二塁へ達した。プレーボールから2球目、甘く入った直球を十分に引きつけて振り抜く。2年連続でサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)に輝いたリンスカムからの一撃だ。

 安打はこの1本だけだったが、打撃全体の内容はいい。2打席目のセンター返しはリンスカムの好守に阻まれ、3打席目は鋭い打球が二塁手の正面を突いた。いろいろな球種とコースをさまざまに打ち分けたことには「意図的にやっていることではない」。体が勝手に動いて、ヒット性の打球が増えている。

 守備では1回、地面すれすれの低いライナーをすくい取り、2回は半身の体勢でファウルを好捕した。走塁でも1回、二塁走者で2番フィギンズとの重盗に成功。「ほっておいても全然大丈夫ですから」とは相棒フィギンズについてのコメントだが、それはぴったり自身にも当てはまる。

 キャンプもそろそろ中盤へ。イチローがいつも通り、順調な仕上がりだ。