レッドソックスに移籍した斎藤隆投手(38=前ドジャース)が14日、第1次候補に入っていたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表入りを辞退した。申し出を了承した日本プロ野球組織(NPB)が発表した。斎藤は「候補選手に選んでいただいた時から、出場に向けて準備をしてきました。しかし先日、新しいチームへの移籍が正式に決まり、球団とも相談して熟考した結果、辞退することを決め、きょう原監督に連絡しました」とコメントを発表した。

 苦しい決断だった。昨年7月に右ひじを痛めて2カ月以上戦列を離れこともあり、移籍交渉の際、レ軍幹部からWBC出場に難色を示された。日の丸を付ける初チャンスに「WBCは日本にとって重いもの」と出場希望を伝え妥協点を探ったが、今大会でのルールでは所属球団は前年故障者リストに45日以上登録された選手に関し、派遣拒否の権利を有する。エプスタインGMも10日の入団会見では「早くキャンプでサイトウのピッチングを見たい」と新天地に慣れてもらうため、初日からの合流希望を口にしていた。

 メジャー組では昨季までの同僚、ドジャース黒田に続く出場辞退。抑え候補の離脱は痛いが、斎藤は「ただ、これからも気持ちはジャパンの一員として、自分にできることがあれば、何でも協力したいと思っています」と対戦経験からライバル国の情報収集など、裏方からのサポート支援を惜しまなかった。