ブレーブス川上憲伸投手(33)は、オリオールズ上原浩治投手(33)との「呉越同舟」を喜んだ。1年目の日本出発が同じフライト。しかも米系航空会社のアトランタ行きと日本選手はあまり使わない路線だけに「リーグは違うけど(東地区所属の)方面も、キャンプ地(フロリダ州)も一緒。合わせているわけではないですが」と偶然に驚いた。ともにエースで投げ合ったライバルであり、同じ昭和50年組と親交も深い。搭乗前には上原がゲート前に立ち止まり、川上を手招きしてツーショット撮影。仲良く並んで機上の人となった。

 ただ川上は心境を聞かれると「不安の方が大きい。特に環境面とコミュニケーションで」と11年ぶりの「新人」は緊張を隠せなかった。「上原君は家族と一緒。僕は1人なので…」。そんな独身男をサポートするため、キャンプから「チーム川上」を結成。マネジメントを手掛ける「ブライトン」の小池太郎社長と、途中から個人トレーナーも加わり、一軒家を借りて共同生活する。

 調整でも「ほとんどブルペンに入ってないので、遅れている気がします」と不安ばかり先立つ川上だが、頼りにするのは上原。「飛行機で一緒だけでも心強い。アトランタの空港は広いので、彼の後ろについて行けば大丈夫かと」。まず最初の不安だった、乗り継ぎ便には迷わずにすみそうだ。【中島正好】