<ホワイトソックス5-0レイズ>◇23日(日本時間24日)◇USセルラーフィールド

 ホワイトソックスの技巧派左腕マーク・バーリー投手(30)が完全試合を成し遂げた。レイズ戦に先発し、9回116球を投げ、1人の走者も出さなかった。直球は平均すると140キロも出ないが、チェンジアップやカーブをテンポ、制球よく投げ込んで、的を絞らせなかった。ホ軍ファンのオバマ大統領も、直後に専用機エアフォースワンから祝福の電話をかけた。大リーグ史上、完全試合は5年ぶり18度目(18人目)。

 バーリーが生命線の緩急、制球力でアウトを重ねた。相手はチーム打率、打点、本塁打がいずれもリーグ5位に入るレイズ。それでも1回にロンゴリアを外角チェンジアップで空振り三振に仕留めたのを皮切りに、6三振を奪った。唯一ヒヤっとしたのは9回先頭打者のキャプラー。左中間への本塁打性の打球を中堅ワイズが好捕すると、最後はバートレットを遊ゴロに切り、ナインにもみくちゃにされた。

 バーリーは、07年4月にも無安打無失点試合を達成したホ軍の左腕エース。この日は「あの時(07年)は時計をみんなにプレゼントして高くついたけど、今回はもっと高くつきそうだよ」と言って笑顔を見せた。小気味よいテンポも持ち味で、試合時間は2時間3分だった。

 そしてバーリーの偉業を誰よりも喜んだのが、ホ軍ファンで知られ、セントルイスで行われた今年の球宴にもホ軍ジャケット姿で現れたオバマ大統領。なんとエアフォースワンから電話で祝福し「完全試合をしたばかりの投手に電話できるなんて大統領の特権のひとつだね」と上機嫌だったという。

 「一ファンとして、素晴らしいことだよ。ホ軍ファンで彼の人柄を知っているからこそ、喜びもひとしおだ」とオバマ大統領。直々に電話を受けたバーリーは「ありがとうございます、サー。でも大統領から電話を受けるなんてビックリしましたよ」と照れながら答えていた。