【ニューヨーク1日(日本時間2日)=大塚仁】ヤンキースは1日が期限だった年俸調停の申請を松井秀喜外野手(35)に対して行わなかった。年俸調停は自チームからFAになった選手に旧所属球団がオファーするもので、選手が調停に応じれば再契約が成立して残留が決まる。選手が応じずに他球団に移籍した場合は、球団がFAのランクに応じたドラフト1位権などの補償を移籍先球団から得ることができる。ヤ軍はデーモン、ペティットにも申請しなかった。

 松井に対して申請しないヤ軍の方針は当然の成り行きと言えた。申請すれば1年契約をオファーしたも同然となり、今季年俸が1300万ドル(約11億500万円)と高額なだけに調停額も球団側に不利となる。また松井は他球団に移籍しても補償が発生しないランクのFAのため旧球団に申請するメリットがない。そもそもヤ軍は3、4日にフロリダ州タンパでのフロント会議で来季総年俸や補強方針を決める予定だけに、その前に再契約のオファーが出るはずもなかった。

 主力のFA組では今季14勝、年俸550万ドル(約4億6750万円)の左腕ペティットに対する調停申請の可能性が最も高いとみられたが、それもヤ軍は見送った。若返りを進めながら総年俸を抑えたいヤ軍の方針がにじみ出ており、松井に対して予想される年俸700万ドル(約5億9500万円)の半額オファーも現実味を帯びてくる。