ゴジラとの日本人野手ダブル獲得へ。ア・リーグ中地区の名門タイガースがポスティングシステムでロッテ西岡剛内野手(26)に入札する意向を固めたことが19日、分かった。フルシーズン守れる二塁手が不在で、担当幹部が来日して西岡のプレーを視察しており、求めていた「2番二塁」にふさわしい人材として白羽の矢を立てた。タ軍はエンゼルスからFAになった松井秀喜外野手(36)の獲得も検討しており、球団初の日本人野手誕生に積極姿勢をみせている。

 応札合戦が確実になってきた西岡のポスティングレースに、新たに名乗りを上げる球団が現れた。17日(日本時間18日)からメジャー全30球団に公示され、現在は米東部時間23日午後5時(同24日午前7時)までの入札期間の真っただ中。球団、金額とも非公開のため水面下の動きしか分からないが、メジャー関係者は「タイガースが応札を決めた。他球団の情報を収集しながら、入札額を検討している最中」と明かした。

 タ軍は伝統的に打撃のチームで、今季もMVP候補の4番カブレラが打線を引っ張った。だが06年のワールドシリーズ出場後はプレーオフ進出がなく、今オフは6年在籍した3番オルドネス外野手がFAになり、世代交代期を迎えつつある。中でも名将リーランド監督を悩ませるのが、二塁手の人材難。今季はギーエンの起用を試みたが故障離脱し、終盤は打率3割をマークした新人リムズを起用。だがリムズも二塁を守ったのは46試合にとどまり、最後までレギュラーを固定できなかった。

 また今季主に2番指名打者(DH)で起用されたデーモンもFAになった。37歳で自慢の足に陰りが出ており、DHとしても迫力不足で、タ軍は残留オファーを見送る方針。開幕戦でデビューした新人ジャクソンが27盗塁と1番に定着し、小技もできる西岡を獲得できればリーグ屈指の俊足コンビが完成する。

 タ軍が獲得を目指すのは西岡だけではない。17日までGM会議に出席していたドンブロウスキーGMは「カブレラの援護ができ、打点が挙げられる中軸がほしい」とデーモンに代わるDH獲得を示唆し「各球団の中軸として勝利に導いた好打者」と松井を高く評価した。日本人選手の獲得となれば、99~00年の木田(現日本ハム)、00年に所属した野茂の両投手以来。今度はチームの中心になりうる野手にターゲットを向け、5年ぶりのプレーオフ進出を狙う。