オリオールズ上原浩治投手(35)が「守護神手形」をもらった。チームと昨季37セーブの救援右腕ケビン・グレッグ(32=ブルージェイズFA)との正式契約が発表された13日、バック・ショウォルター監督(54)が地元紙ボルティモア・サン電子版に、「体調面が万全なら、コウジに昨年と同じ登板機会を与えないのは難しい」と、抑え上原の開幕構想を明かした。

 異例の決断だった。2年1000万ドル(約8億円)で契約したグレッグに対し、上原は1年300万ドル(約2億4000万円)で残留。常識的には、年俸の高い選手に重要な役割を任せるものだが、同監督は「グレッグも契約については理解している」と抑え確約ではないことを示唆。昨季は上原がセーブ成功率8割6分7厘、防御率2・86とも勝っている。しかも「終盤2、3カ月の投球を見て、彼の実力は分かっている」と同監督の就任後から抑え昇格で結果を残し、信頼を勝ち取ったことが大きい。

 上原もストッパー死守を誓っている。同監督の構想を伝え聞き、「うれしい話だけど、競争する立場には変わらない。気を引き締めてやります」とコメントした。他にも左腕ゴンザレスら経験者5人を擁して激戦とみられたオ軍の守護神論争は、指揮官裁定であっさり決着しそうだ。