<ツインズ0-15ドジャース>◇27日(日本時間28日)◇ターゲットフィールド

 大リーグの名門ドジャースの破産は全米に大きな衝撃を与えた。ド軍は日本の民事再生法に相当する米連邦破産法11条の適用を申請。裁判所への提出書類で、100万ドル(約8000万円)以上の年俸未払い選手が黒田博樹投手(36)を含む13人に上ることも判明した。負債を減らすため選手の放出を進める可能性もあり、チーム最高年俸で他球団からの評価も高い黒田は有力候補に浮上している。この日のツインズ戦では歴史的大勝を収めたが、騒動の余波はさらに広がっていきそうだ。

 1883年に創立され、長い歴史を誇る名門が試練の時を迎えた。27日朝に行われたド軍の破産法申請は、同日から46年ぶりというミネアポリス遠征に臨んだチームを直撃した。就任1年目のマッティングリー監督は「ロサンゼルスのような都市の伝統球団が、こういう状況になるとは」と驚くばかり。MLBのセリグ・コミッショナーは「今回の手続きはドジャースの歴史を傷つけるもの」という声明を発表し、衝撃の大きさをうかがわせた。

 深刻な経営状態の悪化は多方面に影響を及ぼしていた。27日付のロサンゼルス・タイムズ紙は球団が裁判所に提出した破産申告書を掲載。それによると、年俸(分割支払いも含め)などの未払いが100万ドル以上の選手はマニー・ラミレス(元レイズ)の約2100万ドルを始めとして13人に上った。その中には約450万ドル(約3億6000万円)の黒田、330万ドル(約2億7000万円)の石井一久投手(02~04年に在籍、現西武)も含まれていた。

 負債を減らすため、高額選手の放出へ動く可能性も浮上している。筆頭候補に挙げられるのがチーム最高年俸の1200万ドル(約9億6000万円)を誇る黒田。FOXスポーツは関係者の話として、黒田には多くの球団が注目しており、ロッキーズ、レッズらは登板ごとに視察していると報じた。全球団対象のトレード拒否権を持つ黒田は「まだドジャースにプレーオフのチャンスがあるので、当然それを目指す。ただ選手として注目されるのは光栄」と複雑な心境を口にした。

 試合前に大騒動に襲われたチームは、ツインズ戦で今季最多の25安打、15得点で大勝。先発した選手全員が安打、打点、得点をマークする球団史上初の記録的勝利だった。マッティングリー監督は「すべてが歴史的な1日だった」と冗談交じりに話すしかなかった。