<マリナーズ4-5ブレーブス>◇28日(日本時間29日)◇セーフコフィールド

 【シアトル(米ワシントン州)=木崎英夫通信員】マリナーズのイチロー外野手(37)がブレーブスとの交流戦で今季初本塁打を放った。第1打席の初球を右翼席へ。通算33度目の先頭打者アーチで、メジャー11年目としては最も遅い1号となった。第4打席では二塁内野安打を放ち、2試合ぶりの複数安打と1盗塁。補殺も決め、1点差の惜敗も走攻守で見せ場をつくった。

 今季の本拠地第1打席のテーマ曲に選んだ「勝手にしやがれ」の軽快なイントロが、響き渡った直後だった。ナ・リーグ1位の被安打率1割8分9厘を誇るハンソンの出ばなを一振りでくじいた。内寄りの91マイル(約146キロ)を真芯でとらえた打球は、右翼ポールの内側を通過して行った。

 「そりゃ気持ちいいよ」。マリナーズに移籍してから最も遅いシーズン1号。5月半ば過ぎから約3週間にも及んだ打撃不振で、本塁打なしはこれまで自己最長だった07年の80試合を超え、昨年9月11日のエンゼルス戦以来となる99試合を要した。「まあ(本塁打が)ゼロじゃない方がいいね。それは以前からそう言ってるけど。だから、まあ162(試合)終わるまでには1にしたいなと思ってました」。

 今季90安打目を一発で出すと、11年連続200安打には不可欠な内野安打も放ち、いずれも得点につながった。守備では5月29日のヤンキース戦以来、今季4個目の補殺を決めた。9回1死一、三塁の場面で、ほぼ定位置の飛球を捕り、ワンバウンドで返球。バウンドさせる狙い場所を「大体のところ」と常々話すが、イメージは日々の積み重ねで築いてきた。

 「だって、そのために普段キャッチボールしたりしてるわけでしょ。それをだから体に覚えさせなきゃいけないわけだから。そこに普段、時間をかけるわけだからね」。4回に三盗を決め、今季20個目の盗塁を記録。11年連続の20盗塁をマークした。