楽天からFA(フリーエージェント)宣言し、移籍先としてアスレチックスかツインズが有力視されている岩隈久志投手(30)が23日、ア軍とのわだかまりを否定した。ポスティングシステム(入札制度)で米移籍を目指した昨オフ、独占交渉権を落札したア軍から一方的に交渉を打ち切られた。過去は水に流し、大きな心で果報を待つ。
大きな体同様、度量も大きかった。アスレチックスとは交渉決裂の過去があるが、岩隈は「わだかまりはないですね。自分を必要としてくれているのなら」と笑みをたたえながら、はっきり言った。
ア軍との交渉が暗礁に乗り上げた昨オフ、不要な“傷”も負ってしまった。米国の報道で、岩隈側がア軍に対し7年1億2600万ドル(当時レートで約100億円)もの大金を要求したと報じられた。完全な誤報だった。メジャー挑戦は「お金の問題じゃない」としていただけに、ショックは大きかった。結局、夢の実現は先送りとなった。
もうア軍だけは、ごめんだ-。岩隈が、そう思ってもおかしくないが、その後、両者の関係は好転した。誤った情報の出どころが、ア軍のビリー・ビーンGMではないということが岩隈サイドに伝わった。今年から新たに契約した代理人ポール・コブ氏を通じ、先方の誠意も感じている。一貫して掲げる「自分を必要としてくれているか」「家族の住環境はどうか」の条件に照らし、偏見無しに移籍先を決めるつもりだ。
岩隈はこの日もKスタ宮城を訪れ、ウエートやキャッチボールを行った。「なるべく早く投げられる状態にしたい」とピッチを上げていく。前日から交渉状況に変化はないが「1日、1時間、楽しみにしながら待っています」と明るかった。確実に念願成就に近づいている。【古川真弥】



