ポスティングシステム(入札制度)でメジャー挑戦を目指している日本ハム・ダルビッシュ有投手(25)が、「松坂方式」で環境整備を狙うことが12月31日、分かった。独占交渉権を獲得したレンジャーズと代理人アーン・テレム氏(57)を通じての交渉がいよいよ本格化。複数の関係者によれば、ダルビッシュ側は交渉期限ギリギリまで好条件を引き出したい意向のよう。期限2日前にレッドソックスと合意した06年の松坂並みの“牛歩戦術”を展開しそうだ。

 今オフの日米注目の移籍は、簡単に終結しそうにない。ダルビッシュとレ軍の最長30日間の独占交渉期間は、米東部時間18日午後5時(日本時間19日午前7時)まで。そのギリギリまで「両者で話し合いが続けられるだろう」とのメドを、複数の米球界関係者が明かした。焦点は、もちろん金銭を含めた条件面。専属通訳など付帯条件、住環境などパフォーマンスに関わる多岐にわたる項目の、擦り合わせに時間を要する見込みだ。単純な「銭闘」ではないだけに、長期化する公算が大きい。

 金銭的な部分でも年俸だけではなく、納得の上でサインしたい意向のもよう。登板間隔が中6日が基本の日本、中4日のメジャーと登板パターンなどが異なり、出来高の設定などでも意見をかわすことになりそう。松坂を超える約5170万ドル(約38億8000万円)が入札された“スーパールーキー”だけに、水面下の一挙手一投足でも、大物ぶりを発揮することになりそうだ。