レンジャーズ・ダルビッシュ有投手(25)が北海道で凱旋(がいせん)登板する可能性が出てきたことが23日、分かった。レ軍が早ければ来季開幕戦を日本で行うことを検討しており、その場合には日本ハムの本拠地・札幌ドームの立候補が濃厚であることが判明。実現すれば、プロ7年間を過ごした思い出の地で再び勇姿を披露するチャンスになりそうだ。ダルビッシュはこの日、帰国し、今日24日に同球場で一般無料公開の退団会見を開く。

 メジャーデビュー前からド派手な里帰りが、現実味を帯びてきた。ダルビッシュが再び日本、それも昨季限りで別れを告げることになった本拠地で剛腕をふるう可能性が出てきた。地元紙ダラス・モーニング・ニューズ電子版は「ダルビッシュの入団でレンジャーズの知名度が日本で高まり、早ければ13年の開幕戦を東京で行う可能性がある」と報じた。その際には東京ドームだけではなく、札幌ドームも有力候補になることが分かった。

 クリアすべきハードルはあるが、決して夢物語で終わることはなさそうだ。今年3月28、29日のアスレチックス-マリナーズ戦を含め、メジャー開幕戦会場は4度とも東京ドームだが、過去に札幌ドームも水面下で開催を働きかけ、積極的に動いていた。大リーグの公式戦誘致に強い興味を持っており、今後も実現の機会をうかがっているという。

 レ軍にはダルビッシュが入団し、昨季から建山も所属と2人の日本ハムOBが在籍。集客力はもちろん、話題性も十分の一戦になることは間違いないだけに、誘致の価値は十分にある。札幌ドーム関係者の話を総合すると「そうであれば、うちが動くのは自然の流れ」との方向性は確実だ。野球に限らずサッカー、スキーの国際大会の開催などで、知名度アップを目指している。球場価値を高めるには魅力的なイベントだ。もちろん、北海道の野球ファンも大歓迎だろう。

 ダルビッシュはこの日、成田空港着の航空機で帰国。今日24日に自ら熱望して退団会見を行うほど、札幌ドームには思い入れがある。報道陣からの祝福の言葉に、小声で「ありがとうございます」と答えた。再び立つ可能性が出てきたマウンド付近の特設ステージで、ファンに公開し感謝の思いを明かす。ステップアップしてレ軍のユニホームに身を包み、いつか舞い戻る日を夢見てケジメをつける。