【サプライズ(米アリゾナ州)15日(日本時間16日)=四竈衛】レンジャーズのキャンプ地に「ダルビッシュ・ロード」が完成する。23日(同24日)に迫ったダルビッシュ有投手(25)のキャンプインへ向け、同地の施設内では準備が進められている。ファンがより身近にダルビッシュを見られるようにというレ軍側の意向で、ブルペン後方に新たな通路を建設中。このほか、日本報道陣用にプレハブの記者席が設置されるなど、ダルビッシュ到着を前に、早くもキャンプ地が慌ただしくなり始めた。

 一両日中にもアリゾナ入りするダルビッシュを待ち構えるように、キャンプ施設で突貫工事が急ピッチで進んでいる。念入りに整備されているのが、ブルペン南側の「ダルビッシュ・ロード」。昨年までは全面芝生で、一般客が立ち入りできなかった区域が、今キャンプからは自由に通行できるように改良されている。ロードはおよそ70~80メートルに及ぶ。

 同地の建設現場関係者によると、レ軍から工事を受注したのが3週間前の1月下旬。ダルビッシュの入団が正式発表(20日)された直後で、2週間前の2月初旬に急きょ作業を開始した。「ファンがもっと近い場所で見られるようにしたいとのことだった。これまでは駐車場から迂回(うかい)しなきゃいけなかったが、これでアクセスも簡単になると思うよ」(工事関係者)。

 昨季まで、一般ファンは外周を回るか、本球場のゲートから練習施設に入場していた。しかも投球練習はブルペンから少し離れた横から眺める以外になかった。今回は通路だけでなく、通用ゲートも新設。導線がスムーズになったことで、駐車場からブルペンへ直行し、ダルビッシュの投球練習をフェンスの背後から見ることも可能になった。ブルペン横の新フェンスもこれまでの2メートル前後の高さから約50センチ低くなっており、選手からサインをもらうチャンスも増えそうだ。

 また臨時記者席としてトレーラーハウス(プレハブ小屋)を設置。さらに、メディア駐車場から球場まで移動するための巡回カートを昨季の5台から20台に増やすなど、殺到するであろう報道陣への対応も着々と進めている。球場内のグッズショップでも、現時点でダルビッシュのTシャツを24ダース入荷など準備に抜かりはない。

 今は嵐の前の静けさと言っていい。ダルビッシュが現地入りするのと同時に、狂騒曲が一気にヒートアップすることは間違いない。