右肘痛で故障者リスト(DL)入りしているヤンキース田中将大投手(25)は、9月上旬の復帰が濃厚となった。ホワイトソックス戦の試合前、離脱後初めてフリー打撃に登板。順調に回復しており、9月9日から始まる20日間21連戦の前に先発ローテーションに復帰する方向性が固まった。

 ライアン、ウィーラーの同僚を相手にしたフリー打撃では、ほぼ全球種を交えて計35球を投げた。「思うように投げられていないのが大半ですが、これから調整していけばいい。試合に入っていくまでにやることはいっぱいあるので、着実にステップアップしていけたらなと思います」。田中は淡々と振り返ったが、首脳陣の見解は違った。

 ジラルディ監督が「どの球種も良かった。痛みがないことが大きい」と言えば、ロスチャイルド投手コーチは「試合で投げるのもそう遠くはない」。現段階で、25日からの遠征に同行すること以外、具体的な日程は明かされていない。だが、プレーオフ争い佳境の21連戦は、田中抜きには勝ち抜けない。「体の反応は自分で感じながらやってます。細心の注意を払いながらやっていけたらなと思います」。静かに抱負を語る田中の口調が、復帰近し、を表していた。