<カブス4-8ドジャース>◇18日(日本時間19日)◇リグリーフィールド

 カブス和田毅投手(33)が今季最後の先発マウンドで、強豪ドジャースを5回1失点に抑えた。勝利投手の権利を持ったまま降板したが、中継ぎ陣が逆転されて5勝目はならなかった。それでも気にした様子はなく「きょうは気持ちだけでしたね」とホッとした表情だった。

 ここ数日は、時折左太もも裏の上部がけいれんするなど疲労に襲われる中、気持ちを振り絞ってマウンドに上がった。速球に伸びとキレが戻り、強打を誇るド軍打線を3回まで圧倒。4回1死一、三塁のピンチでは4番ケンプをスライダーで空振り三振、5番ラミレスを内角速球で見逃し三振に仕留めた。「見逃しが取れる確信があった」と胸を張った。

 最近3試合は自分の投球ができず、勝利に見放されていた。この日もチームに白星をもたらすことはできなかったが、「自分の中では何かしら来季につながる形が見えた。今日の試合があって良かったと思える投球ができた」と手応えをつかんだ。

 来季の契約は、年俸500万ドル(約5億5000万円)で球団が契約選択権を保有する。エプスタイン球団社長は「いい働きをしてくれた。日本で圧倒していた姿に近い形が見えた」と高評価。和田自身は「残りたいって言えば残らせてくれるなら、いくらでも言いますけど(笑い)」とシカゴへの愛着を口にした。選択権が行使されるか否かは、球団の手に委ねられている。(シカゴ=佐藤直子通信員)