レッドソックス上原浩治投手(39)は41歳になってもメジャーマウンドに君臨する。10月30日(日本時間31日)、大リーグ選手会がワールドシリーズ終了を受けてFAとなった121選手を発表。上原も同リストに入ったが、即日にレ軍が16年までの2年総額1800万ドル(約18億9000万円)で契約延長したと発表した。また他の日本選手では、ロイヤルズから青木宣親外野手(32)、ヤンキースからイチロー外野手(41)と黒田博樹投手(39)、ブルージェイズから川崎宗則内野手(33)、アスレチックスから中島裕之内野手(32)、メッツから松坂大輔投手(34)の6人が同リストに入った。

 41歳までの異例の複数年契約だった。レッドソックスは、ワールドシリーズ終了翌日に上原と契約を更新したと発表。来季40歳までの単年ではなく、41歳になる16年までの2年総額1800万ドル。1年900万ドル(約9億4500万円)ずつと1000万ドル(約10億5000万円)にこそ届かなかったが、今季年俸の425万ドル(約4億5000万円)の倍以上となった。

 レ軍の絶大な信頼と誠意の証しだ。FAとなる前から上原の代理人と交渉を重ねてきたチェリントンGMは「コウジはこの2年、ブルペンの重要な柱となった。戻って来てくれることはうれしい。これは我々のオフシーズンの重要な最初のステップとなる」と説明。今季は先発ローテーション投手を4人も放出するなど、昨季世界一からリーグ最下位に転落。名門復活へ、新スタートの第1歩は上原を保持することだった。

 上原も自身のブログで「報告」と題し、喜びをにじませた。「この年齢で2年を取れたことは本当に有り難いことです。代理人に感謝です。でもここからが大変だと思います。いい契約をしたんだから結果を出さないとね。それにしても、34歳でアメリカに来て、まさかここまでやれるとは…」などと更新。思いを新たにしている様子だった。

 今年のシーズン終盤には調子を落とし、自らの意思で抑えの座から外れたこともある。だが最後は復調し、シーズンを締めた。すでに来季へ向け、体を動かし始めている。再び世界一の守護神へ、戦いは始まっている。

 ◆メジャー高齢選手の複数年契約

 07年1月には43歳の左腕ジョンソン(ダイヤモンドバックス)が2年2600万ドル(当時のレートで約29億9000万円)で契約。08年オフには49歳まで現役を続けた46歳モイヤー(フィリーズ)が2年1300万ドル(同約11億7000万円)の契約。10年オフに当時41歳の守護神リベラ(ヤンキース)が、2年3000万ドル(同約24億円)で契約延長。また12年オフには39歳のイチロー(ヤンキース)が、2年1300万ドル(同約10億4000万円)で残留。また昨オフには38歳のネーサン(タイガース)が2年2000万ドル(同約20億円)で契約した。