史上初の公開ドラフト方式で25日、有馬記念(G1、芝2500メートル、28日=中山)の枠順が決まった。運命の抽選役を務めたヤンキースの田中将大投手(26)が引いた1番くじは、今回が引退レースとなる女王ジェンティルドンナ(牝5、石坂)だった。

 田中が「もってる」男ぶりを存分に発揮した。初開催の枠順公開抽選会で、最初に馬番を選べるボールを緊張気味にピックアップ。いきなり主役の一角ジェンティルドンナの名が記された名札を掲げると、会場は「オーッ」という歓声と大きな拍手に包まれた。「どうしていいのか…。緊張して笑ってしまった。すいません」。2巡目に大リーグの先輩、佐々木主浩氏のヴィルシーナを引くあたりも、礼を尽くすマー君らしい。

 プレゼンターを務めたジャパンCではジェンティルドンナを本命に推したが、有馬記念の本命候補はゴールドシップ。皮肉にも、印を落としたジェンティルを一番に引き、ゴールドは13番目。中山芝2500メートルでは不利と言われる外枠の7枠14番に入ると、それでも予想は初志貫徹。男らしく「本命はゴールドシップ。中山は走るし、芝が合うと思う」と言い切った。【山田準】