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筒香ゴジラの道1号、助言通り頭動かさず

5回裏DeNA2死一、二塁、バックスクリーンに3点本塁打を放つ筒香
5回裏DeNA2死一、二塁、バックスクリーンに3点本塁打を放つ筒香

<練習試合:DeNA8-5KIA>◇19日◇宜野湾

 ゴジラのような“不動の4番”になる。DeNA筒香嘉智外野手(23)が、韓国KIAとの練習試合で今季1号3ランを含む2安打4打点の活躍で、強烈な存在感を示した。巨人、ヤンキースで活躍し、キャンプ序盤に視察に訪れた松井秀喜氏(40)から受けた金言を胸に飛躍のシーズンにすることを誓った。

 宜野湾の青空を真っ二つに切り裂いた。3点を追う5回2死一、二塁。筒香のバットがKIA申昌好の低め直球を完璧に捉えた。どっしりと地面に粘着した下半身と、微動だにしない頭。現役時代の松井氏と重ね合わせたようなスイングで打球を軽々とバックスクリーンど真ん中に突き刺した。体の軸がビシッと決まった一振りに「本塁打を狙いにいった。いい感覚で粘りのあるスイングだったと思う」とうなずいた。

 動かない美学が納得の1発を導き出した。第1クール最終日の5日から3日間、宜野湾キャンプを視察した松井氏からのアドバイスを強く意識した。自ら積極的に質問するなど有意義な時間を過ごした中で「一番印象に残っているアドバイスは『頭を動かさないで打て』と言われたことです。もともと自分は軸で打つタイプなので、それが大事だと再認識できた」と、ゴジラからの金言を実戦3戦目で体現してみせた。

 動かないのは頭だけではない。今季は新主将&4番の重責を背負うシーズンになる。ここまでプロ5年間は毎年、Bクラスに沈み、屈辱だけを味わってきた。「4番が143試合、活躍すれば、そのチームは絶対に強い」と断言。続けて「信頼される4番になりたいし、4番を打ちたいと思っている。中心選手として成績で引っ張っていきたい」と、いつもは口数の少ない男が語気を強めた。

 シーズンを想定した理想の4番像もしっかりと結果で示した。同点で迎えた7回には、2死二塁から外角球を逆らわずにはじき返す決勝二塁打を放ち、チームに“今季初勝利”をもたらした。中畑監督も「(2本とも)一番いいところで打ってくれた。誰もが願うところで本塁打を打ち、タイムリーが欲しい場面でも仕事をした。一番、気持ちがいいね」と絶賛した。

 23歳の若武者に課せられた重責はプレッシャーにもなりかねない。だが、筒香は言う。「そんなに緊張するタイプじゃないんです」。松井氏を前にしても物おじすることなく質問をぶつけられる強心臓の持ち主がDeNAの4番にどっしり座る。【為田聡史】

 ▼昨年の筒香はリーグ6位タイの22本塁打。7月終了時にはリーグ3位タイの17本を記録も、8月13日中日戦で後頭部を強打。同14日から9月5日まで1軍を抹消され、8月以降は5本しか上乗せできず。特に、7月は20試合に出場して自身月間最多の8本と調子を上げていただけに、離脱は痛かった。仮に、残り56試合あった8月以降を7月のペースで打ち続けていれば最終39本となり、本塁打王争いに参加できた。筒香は今年6年目。同じ高卒の松井(巨人)が初めて本塁打王を獲得したのは6年目の98年だったが、筒香はどうか。

 [2015年2月20日7時21分 紙面から]









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