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岩瀬開幕ピンチ 左肘検査でキャンプ離脱

17日、練習中にさえない表情を見せる岩瀬(撮影・前岡正明)
17日、練習中にさえない表情を見せる岩瀬(撮影・前岡正明)

 プロ17年目の中日岩瀬仁紀投手(40)が19日、左肘の精密検査を受けるため、沖縄・北谷キャンプを緊急離脱した。キャンプ序盤から左肘の違和感が解消されず、2度目のブルペン投球だった17日はわずか16球で取りやめていた。残り1週間を切ったキャンプの再合流は難しく、3月の開幕も絶望的な状況。鉄腕守護神が窮地に陥った。

 守護神がキャンプ離脱を余儀なくされた。巨人との練習試合(沖縄セルラー那覇)が行われていた舞台裏でショッキングな事態が発生していた。この日、岩瀬が宿舎から向かった先は、試合メンバー以外が練習するキャンプ地・北谷の球場ではなく那覇空港だった。

 回復の兆しが見えない左肘の状態を精密検査するためにキャンプを離脱。急きょ、名古屋へ戻った。26日打ち上げのキャンプ期間中にチームに戻れるかは現時点で未定。だが、厳しい状況であることは間違いない。

 岩瀬は昨年8月に左肘痛で出場選手登録を抹消され、オフ期間から慎重に回復を図っていた。キャンプは1軍スタートだったが、チームで“暗黙のルール”である初日ブルペンを1人だけ回避。ブルペンに入ったのは8日と17日の2度だけだった。前回は「ボール自体は良かったけど、まだしっくりこない。フォームがズレる。フォームを崩してまでやらなくてもいい」と16球で投球を取りやめた。

 詳細は不明だが、痛みに近い違和感が収まらないようだ。17日のブルペン後には「そういうのもあります」と全力で投げることへの不安を口にした。18日は初日から続けていた山井とのキャッチボールを中止。ボールは握ったが、相手は近藤投手コーチで距離も25メートル程だった。昨季も痛めたデリケートな箇所だけに慎重にならざるを得ない。

 昨季は前人未到の通算400セーブに到達したが、左肘を痛めた影響で登板は34試合、20セーブ。入団以来15年続けた年間50試合登板を果たせず、連続30セーブも9年で途絶えた。40歳で迎えた17年目は「できなければ終わりだと思っている」と、定位置のストッパーの座を降りることになったらユニホームを脱ぐ覚悟を示している。

 岩瀬はプロ1年目から昨季まで16年連続で開幕メンバー入りしている。だが今後劇的な回復がない限り、3月27日阪神との開幕戦(京セラドーム大阪)は絶望的な状況にある。通算402セーブを誇る鉄腕が、大きな試練に直面した。【桝井聡】

 ◆中日のストッパー事情 岩瀬の代わりのストッパー候補筆頭は福谷だ。昨年、岩瀬離脱後に抑えに固定され、年間11セーブを挙げた。今年も順調に仕上げている157キロ右腕が本命になるが、調子によっては、同じく昨年大活躍し、福谷とは別タイプのサイド右腕の又吉も控える。ほかに祖父江、田島ら実績のある中継ぎ陣がいる。昨秋、21U日本代表で抑えを務めた新人野村は先発要員に入っている。

 ▼岩瀬はプロ入りした99年から昨年14年まで16年連続で開幕1軍入り。これは現役投手最長。なお現役選手最長は谷繁元信(兼任監督)の26年で、プロ入りした89年大洋(現DeNA)時代から、昨年14年まで継続中。

 [2015年2月20日11時43分 紙面から]









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