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阪神中谷同点3ラン!北條2点打

9回表2死、中谷(左から2人目)は3点本塁打を放ち、ナインと笑顔でハイタッチ
9回表2死、中谷(左から2人目)は3点本塁打を放ち、ナインと笑顔でハイタッチ

<練習試合:ヤクルト9-9阪神>◇19日◇浦添

 若虎打線が執念ドロー!! 阪神が驚異的な粘りを見せ、引き分けに持ち込んだ。3点を追う9回2死一、二塁で代打の中谷将大外野手(22)が左翼へ起死回生の同点3ランをマークした。これまで目立たなかった将来の長距離砲が1発をかましただけでなく、8回にも北條史也内野手(20)が左中間に2点タイムリー。眠れるホープよ、自信にしてや~。

 これだ。こんなハツラツさを待っていた。阪神のヤング打線が意地を見せたのは敗色濃厚の試合終盤だ。3点を追う9回2死一、二塁。中谷は武者震いしていた。「チャンスをもらえて良かったです。もう、来ないと思った。回ってくるかどうか分からなかったですから」。児山の3球目だ。116キロ変化球を完璧にとらえると大きな弧を描いて、左翼フェンスを越えていった。

 これだ。こんな弾道を待っていたのだ。将来を期待される長距離砲もプロ5年目。この日は同い年のルーキー江越が先発し、自身はベンチを温めた。悔しい思いを白球にぶつけた。あと1死でゲームセットの窮地から同点3ラン。持ち前の飛距離を見届けた和田監督も「江越は同学年でライバルの戦いはある。あきらめたらダメ。1球1打席でいろんな状況が変わる。どんな状況でも全力を尽くす気持ちの表れ」と褒めた。

 これだ。こんなド迫力を待ち望むのだ。指揮官は続ける。「中谷自身、ちょっとこぢんまりとしすぎていた。ああいうモノを持っている選手なんだ。魅力をなくしてまで、こぢんまりすることはない」。1軍出場は12年の6試合だけ。昨季も2軍戦で93試合に出場し、打率1割9分にとどまった。結果を求めるあまり、スケールが小さくなり、プロの世界を去る選手は多い。まだ22歳の若武者だが、今春キャンプでも存在感を示せていなかった。個性を殺すことなく戦う重要性を説いた。

 これだ。こんな北條を見たかった。中谷の劇的アーチを演出したのは、プロ3年目北條の快打だ。8回の攻撃は6点のビハインド。1点をかえし、なおも2死一、二塁。土肥の直球を思い切りたたくと、左中間を真っ二つに割る。2点適時二塁打を放ち、ヤクルトに迫った。和田監督は「1本のヒットをキッカケにしてほしい」と期待する。

 これだ。こんなアピールが大切なのだ。11日の練習試合日本ハム戦(名護)は若手中心の打線が不発。視察した坂井オーナーも「この試合は何となしに期待から外れているけど…」と辛口だった。伸び悩む中谷&北條は目覚めるか。対外試合4戦目で3度のドロー。今季初星はお預けになったが、収穫はあった。【酒井俊作】

 [2015年2月20日12時32分 紙面から]









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