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内海が202球 巨人投手陣で最多投げ込み

ブルペンで力のこもった投球を見せる巨人内海(撮影・河野匠)
ブルペンで力のこもった投球を見せる巨人内海(撮影・河野匠)

 午前11時43分、ペットボトルの水を手に、巨人内海哲也投手(32)がブルペンに現れた。「よし、いくで」。ペットボトルの水、自らを鼓舞する声が投げ込みのシグナルだった。立ち投げ後、同11時53分、今キャンプ巨人投手陣最多の投げ込みが幕を開けた。

 開始から13球、直球を続けた。14球目からはカーブを5球連続。抜群の制球力を誇る内海にしてはボールが続いた。変化が表れたのは、36球目以降だった。16球のうち、13球がストライク。45球目からは7球連続でストライクを取った。

 内海 初めはフォームのバランス、コースへの投げわけを意識する。そこから、より実戦を意識して、大胆に取りにいく時もある。

 観客の心を奪ったのは“エア・グリエル”だった。122球目から田畑投手コーチが打席に立ち、実戦想定の中で13人と対戦し、13三振を奪った。イメージしたのは中日和田ら苦手とする打者。「投げづらい中で、どう投げるか。相手はいいイメージで入ってくるので、ブルペンでできなければやられる」。5人目の打者はDeNAのグリエルだった。天敵の懐へ、内角直球をズドン。乾いたミット音ととともに拍手が起こった。

 202球目、ラストはクロスファイアで決めた。時計の針は13時8分をさした。近年、200球を超える投手は減少した。再現性が高く、体への負担の少ない投球フォームでなければ難しい数字。軸が安定し、下半身主導のフォームの内海だから可能だった。

 内海 130球からの30球はマラソンで言えば、ランナーズハイのような状況。でも、そこからしんどくなる。その中でアウトロー(外角低め)、インロー(内角低め)に投げられるかが大事。僕はそう、信じてやっています。

 「ナイスピッチング」。ブルペンでは珍しく、客席から声が飛んだ。「ありがとうございました」。帽子を取って、内海は歓声に応えた。【久保賢吾】

 [2015年2月21日7時21分 紙面から]









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