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松中、松坂から死球「骨折してたら引退」

打撃投手を務めた松坂から右足に死球を受け悲鳴を上げる松中(撮影・今浪浩三)
打撃投手を務めた松坂から右足に死球を受け悲鳴を上げる松中(撮影・今浪浩三)

 ただのフリー打撃ではなかった。ソフトバンク松中信彦内野手(41)はバットを握る手に自然と力が入る。9年ぶりに松坂がマウンドにいた。4球目、内角直球をとらえた。打球は右中間フェンスに直撃。「あれがおれの実力。全盛期なら入っていた。でも楽しかったよ」。22球で安打性は4本。チェンジアップが内角に抜けて、右足のスパイクに当たった。「骨折していたら、引退やったやんか」。平成の名勝負を再現し、ベテランはうれしげだった。

 再起をかける松中にとって、通っておきたい「道」だった。昨年12月の契約更改で再戦のラブコールを送った。05年に1試合3本塁打を放つなど怪物を攻略してきた。この日は工藤監督から「当時を思い出せ」とハッパをかけられ、打席に送り出された。「キャッチャーがトオル(細川)だったら、よかったな」。松中はそう松坂に声をかけた。「もっと雰囲気が出ましたね」と右腕は返した。フリー打撃の後、2人はガッチリと握手を交わした。復活を目指す両者の儀式は終わった。

 松中は松坂の復活を確信している。「周りが言うほど、腕の振りが悪いとは思わない。いい球がきていた。昔を思い出したよ。アドレナリンが出た」。自身にとっても、刺激になったのは間違いない。「(安打性は)4本? もっとヒットを打っただろ。松坂寄りだな」と笑った。怪物と3冠王が演じた22球の再戦。プロ19年目の原動力になった。【田口真一郎】

 [2015年2月21日10時36分 紙面から]









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