日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムです。


  1. 野球
  2. ニュース

野球ニュースのRSS

巨人沢村初S 新守護神完全3人4分

9回表広島2死、下水流を右飛に仕留めた沢村(右)は表情を崩さず鬼屋敷とハイタッチ
9回表広島2死、下水流を右飛に仕留めた沢村(右)は表情を崩さず鬼屋敷とハイタッチ

<オープン戦:巨人4-2広島>◇21日◇沖縄セルラー那覇

 抑えに転向する巨人沢村拓一投手(26)が“プロ初セーブ”を挙げた。オープン戦初戦の広島戦で2点リードの9回に登板。打者3人を9球、約4分で抑え込んだ。最速は151キロをマークし、スプリットで空振り三振を奪取。頭は「クール」に、ボールは「鬼」に-。プロ野球人生の第2幕を力強く踏み出した。

 勝利のハイタッチの快感には、安堵(あんど)感が交じった。試合を締めた沢村は、1勝の重みをかみしめた。「勝利を背負って、マウンドに上がる。どんなに見苦しくても、必ず3アウトを取る。それが、僕の仕事」。“初セーブ”は打者3人、約4分で刻んだが、心に詰まった思いは、マウンドを照らす日差しのように真っすぐだった。

 “第1歩”は2点リードの9回だった。「ピッチャー沢村」のコールに、ファンが沸いた。ザクッ、ザクッと響かせ、黒土を体全体で感じながら、マウンドに上がった。「快感ではあった」が過度な興奮もなく、冷静だった。「(打者の)狙いやしぐさがよく見えた」。午後3時54分、サインにうなずき、豪快に腕を振った。1球目は148キロの速球だった。

 ボールは「鬼」と化した。全9球のうち、速球は8球。テレビ中継では最速151キロを計測した。1死後、磯村を直球3球で追い込み、143キロのスプリットで空振り三振。同58分、右飛で試合を完結させた。試合後、報道陣に囲まれる沢村の横を原監督が通った。「いいね、拓一くん。鬼となっているね」。内面はクールでも、周囲の目には鬼に映った。

 「野球人生を懸ける」。あの日、そう誓った。秋季キャンプ初日の昨年11月5日、原監督からリリーフへの転向を告げられた。

 沢村 体の中にふつふつと湧き上がるものを感じた。うれしかったし、僕はここで生きていくんだと心に誓った。野球人生を懸けてやると。

 覚悟を決めた。お酒も控え、生活習慣も変えた。今キャンプ中は午後10時就寝、午前6時起床に設定。読書やDVDで体と心を休める日も増えた。「試合を締める時にマウンドにいられるのは、うれしいこと。アピールして、その座を奪えるように」。2015年、2月21日、沢村が「巨人の守護神」に堂々と名乗りを上げた。【久保賢吾】

 [2015年2月22日7時15分 紙面から]









日刊スポーツ購読申し込み 日刊スポーツ映画大賞