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広島1位野間が新人1号!緒方監督一押し

6回表広島無死、右越えに本塁打を放つ野間(撮影・たえ見朱実)
6回表広島無死、右越えに本塁打を放つ野間(撮影・たえ見朱実)

<オープン戦:巨人4-2広島>◇21日◇沖縄セルラー那覇

 カープ女子に、また朗報です! 球春を告げるオープン戦が開幕した。広島のドラフト1位・野間峻祥外野手(22=中部学院大)が新人最速となるプロ初アーチを豪快に放った。24年ぶりの優勝へ最大のライバルとなる巨人を相手に「1番右翼」で先発。6回に右越え本塁打を放ち、守備でも3回にレーザービームで三塁補殺。仕掛けた2盗塁は失敗に終わったが、走攻守で輝いた。男前は日本復帰の黒田だけじゃない。

 逆風を切り裂き、野間の打球は一直線に右翼スタンドに消えた。6回無死。カウントは1ボール。狙いは直球一本だった。巨人小山の内角高めに140キロに、素直にバットが出た。味わうべきダイヤモンド1周も、自慢のスピードですぐに終わらせた。ベンチでは緒方監督が満面の笑みで両手をたたいている。豪快な12球団ルーキー1号。若武者は恥ずかしそうに振り返った。

 「結果は気にせず積極的にいった結果ですが、うれしいです。真っすぐに絞って足を早めに上げ、そのタイミングで入ってきた」

 皮がめくれ、黒ずんだ手。さわやかな笑顔の奥にある練習量を物語る。めくれた皮の奥が、まためくれる。ふやけることを避けるため、右手を上げたままシャワーを浴びる日々が続いている。感覚がずれるという理由でテーピングは好まない。「普通です。誰でもこうなりますよ」と笑えるのも野間ならではだ。不安に襲われ、夜中に跳び起きてフォームを確認することもあったが、笑顔の下に隠してきた。

 スマートにユニホームを着こなし、守備でも魅せた。3回2死一、三塁。巨人金城の打球が一、二塁間を割った。野間は一塁走者が二塁を回るのを確認すると右翼から猛チャージ。三塁へダイレクトで送球し、刺した。大歓声に包まれたが「もうちょっと低くてもよかったかな」と、ここでもはにかんだ。さらに四球と併殺崩れで出塁すれば、積極的に盗塁も仕掛けた。成功こそなかったがスピード感あふれるプレーで、さわやかな風を巻き起こした。

 初采配を振るった緒方監督も試合には敗れたが「魅せてくれるね。(新聞の)もう1面は決まったじゃろ」と笑みがはじけた。昨年セ覇者の巨人にも強烈なインパクトを与えたはずだ。黒田だけではない。ニューヒーロー誕生の予感をまとい、野間は小走りでバスへと乗り込んだ。【池本泰尚】

 ◆広島の外野事情 中堅丸が確定。左翼はエルドレッドとグスマン、松山と一塁も守れる候補がしのぎを削っている。野間は3年目鈴木誠らと右翼を争う立場。紅白戦では別チームに分かれ、ともに「1番右翼」で出場。緒方監督は野間を1番候補にも挙げており、激しい争いを繰り広げている。また下水流や、鈴木誠も実戦で結果を残しチャンスをうかがっている。また指揮官は野間、鈴木誠に左翼の練習も課すなど、外野手には全ポジションを守れるように練習メニューを組んでいる。

 [2015年2月22日11時44分 紙面から]









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