即戦力右腕に「エース・ロード」が敷かれる。日本ハムのドラフト1位、有原航平投手(22=早大)が、早ければ3月21日のイースタン・リーグ西武戦(鎌ケ谷)で実戦デビューすることが25日、分かった。2軍の沖縄・国頭キャンプでは右肘痛の経過も良好。このまま順調なら、実戦初登板が2軍戦で、複数回の登板を経て1軍マウンドに上がったダルビッシュや大谷と同じ道をたどりそうだ。

 有原が早ければ、3月21日に2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で行われる2軍戦でデビューとなりそうだ。ここまで、右肘痛の不安と闘いながら春季キャンプを過ごしてきた。「思った通りにきている。順調かな」と、18日には捕手を座らせての本格投球も解禁。思い描いた通りのステップアップを見せており、実戦初登板の青写真も、ようやく見えてきた。

 かつての大黒柱も通った道を歩く。レンジャーズ・ダルビッシュも1年目は2軍戦がデビュー戦だった。右膝関節炎などで出遅れ、実戦初登板は05年5月5日のイースタン・リーグ、インボイス戦(鎌ケ谷)だった。先輩はキャンプ中の不祥事で謹慎期間もあったが、入団前からの故障が要因でスロー調整になった点は共通する。

 今季の開幕投手を務める大谷も投手デビューは2軍で迎えた。13年3月10日の春季教育リーグ、ヤクルト戦(鎌ケ谷)。しっかりと下地をつくってから、満を持して1軍マウンドに上がった。有原も投手陣の柱になる第1歩を同じように踏み出し、複数回の2軍登板を経て1軍デビューとなりそうだ。

 調整段階もレベルアップしていく。ここまで3度の本格投球では、30球前後の制限があったが解除。「ここから徐々に増やしていきたい」と、今日26日のブルペンでは状態を見ながら40~50球を投げる見込みだ。27日の2軍キャンプ打ち上げ後は、鎌ケ谷で打撃投手も務める予定。昨年11月の東京6大学リーグ早慶戦以来となる対打者との実戦感覚を呼び起こし、プロ初実戦へと向かうプランが温められている。

 この日は、全体練習後にブルペンでネットスローを行った。中垣トレーニングコーチの話に熱心に耳を傾けながら、右腕を振った。「感触は、だいぶいいです。右肘も違和感ないです」と、故障の不安は取り除かれつつある。「今は、いい状態なので、無理はしないように」と、慎重さは変わらないが、順調に段階を踏めばドラフトで4球団競合の逸材がベールを脱ぐ日は近い。【木下大輔】