ソフトバンク工藤公康監督(51)が宮崎キャンプを打ち上げた26日、開幕投手をすでに決めたことを明らかにした。本人に通達。選定には実績面を考慮したといい、3月27日ロッテ戦(ヤフオクドーム)に摂津正投手(32)を指名した模様だ。4年連続の開幕投手は球団史上初めて。エースの右腕に就任初年度の開幕ダッシュを託した。

 工藤監督が腹をくくった。キャンプ最終日に、自らの決断を明かした。

 「今、決まっているのは開幕投手だけ。(本人に)伝えました。候補がいて、迷ったりしながら、絞り込んだ。コーチの意見も入れた中で…」

 名前は口にしなかったが、エースとして投手陣をまとめる摂津を指名した模様だ。24日にホテルの自室に呼び、膝をつき合わせて、思いを伝えた。日本一連覇のカギを握るのは、投手力。その中心は、やはり右のエースだった。

 開幕投手候補は摂津の他に、大隣や松坂、武田らが挙がっていた。指揮官は競争が激しくなるのを歓迎しつつ、ブルペンを視察しながら選定を進めた。重視したのは、実績だ。

 「実績というのは僕の中である。横一線という訳にはいかない。先頭に立って、勝つことで引っ張るのは大事なこと」

 実績では、先発転向以来の4年間で56勝を挙げた摂津が群を抜いている。昨年は右肩の筋疲労で一時、戦線を離脱した。10勝止まりで本来の力は発揮できなかったが、今季は精力的にブルペンで投球練習を行った。佐藤投手コーチと二人三脚でフォームの修正にも努めた。「後半にはだいぶ安定してきた。腕の振りもよかったしコントロールもよかった」と同コーチは復活への手応えを感じている。

 摂津はこの日、ブルペンには入らず、室内練習場で最終調整した。開幕投手について問われると、「そうなんですか? 知らなかったです」と話すにとどめたが、キャンプの調整には納得の表情だ。「やりたいことができた。しっかりとがんばります」。実戦初登板は28日楽天戦(ヤフオクドーム)を予定。以降も週末に登板し、3月27日のロッテ戦を目指す。