DeNAが“待望の完敗”でオープン戦最終戦を締めた。西武に今季初の完封負けを喫した。7連続三振を含む、2ケタ11三振で、わずか2安打に沈められた。沈黙ムードが漂うかと思いきや中畑清監督(61)は「良かったよ。最後に待っていた負け方だった。攻守でミスもきっちりやってくれた。有頂天にならずに『もう1回、ふんどしを締め直して頑張れ』というメッセージ。いい負け方だった」と、いつも以上に晴れやかな表情で振り返った。

 前日まで8勝3敗3分けでオープン戦2位につけていた。97年以来となる“優勝”を逃したが収穫十分の準備期間だった。中畑監督は「キャンプ前のミーティングで個々のレベルを上げてくれ、と選手にお願いした。キャンプからの充実感は今年が初めて」と目を細める。開幕1軍メンバーには山崎康、倉本、山下幸のルーキー3選手に加え、■岡、飛雄馬、桑原、関根の7選手が初の開幕1軍に名を連ねる。若手の台頭が戦力の底上げを雄弁に語る。

 宿敵巨人との開幕戦まで、残り4日と迫った。7回に倉本がけん制からの連係プレーで適時失策を犯したが、これもまた収穫の1つ。「今日の負け方が開幕戦かな、ぐらいで思ってたからね。あと3日、練習で微調整をして、開幕ダッシュにつなげたい」と中畑監督。開幕を前にDeNAとして4年目シーズンへ向けた進化を見せつけてきた。台風の目として、セ界で暴れるための準備は整った。十二分の期待感だけを持って本番に臨む。【為田聡史】

※■は雨かんむりの下に左は隹(ふるとり)、右は鳥