ブーイング上等や! オリックス新加入の中島裕之内野手(32=アスレチックス3A)が、今日27日に開幕戦でいきなり古巣西武と対決する。敵地スタンドからブーイングを浴びる可能性もあるが「どう思われようと気にしない」とピシャリ。26日の全体練習は4日ぶりのフリー打撃で快音を連発した。大型補強の中心的存在が、チームを開幕ダッシュに導く。

 見事な「1本締め」だった。中島は調整法の一環で封印していたフリー打撃を4日ぶりに再開した。ラストの声がかかった最終47スイング目。引っ張った打球はプリンスドームの左翼席で弾んだ。西武ファンのど真ん中に突き刺す“予行演習”を終えた顔は、平然としていた。

 中島 いい感じに見えた? 別に何ともないよ。試合前になったら、もっと興奮すると思うよ。最初にここで試合するから良かったんとちゃいますか?

 3年ぶり日本復帰の初戦。しかもいきなり、12年まで12年間も所属した西武が相手だ。自然と注目が集まるが、気にしないとばかりに淡々と意気込んだ。

 西武時代は打席の登場曲「キセキ」(GReeeeN)をファンが歌い、球場が一体になるのが名物だった。ただ今回、敵地となったスタンドからブーイングを浴びる可能性もある。

 中島 それはどんな反応でも、どう思われようと僕は気にしない。応援してくれる人もいるやろうしね。

 昨オフに古巣からも復帰オファーがあった中、悩んで移籍先を決めた。だから今はチームの勝利に貢献するのみ。慣れ親しんだ球場に前日25日の練習から足を踏み入れているが「特別に何か違うとかはない」と感慨にひたる様子もない。

 開幕戦は西武時代、32打数11安打の打率3割4分4厘と好成績。11年には当時日本ハムのダルビッシュから3ランを放っている。新天地では「5番一塁」が有力だ。罵声、怒声、そして歓声…。「オリのナカジ」はそんなすべてを受け入れる覚悟で、開幕戦のグラウンドに立つ。【大池和幸】