緊急登板を来日初登板初勝利で飾った。日本ハムのビクター・ガラテ投手(30)が、楽天戦に先発し、5回2安打無失点で白星を手にした。ローテ入りが内定していた浦野の右肩故障で巡ってきたマウンドで、三塁を踏ませない快投だった。

 4回を投げ終えると、厚沢投手コーチが近づいた。「もう1回いけるか?」。答えはもちろん「イエス」だ。「勝利投手の権利というのは考えていた。とても疲れたけど、満足しています」。オープン戦では20日巨人戦での2イニングが最長。中継ぎ調整を続けてきたが、70球を投げ抜いた。

 試合前、相手のオーダーを見て気持ちを高めていた。銀次、藤田ら左打者が5人。「やった! という気持ちになった」。変則フォームから繰り出すスライダーやチェンジアップ。対左には絶対の自信がある。初回、先頭の聖沢には積極的に内角を攻めた。「怖がっているように見えた」。遊ゴロに仕留めてリズムに乗った。打線の大量援護も、強力な後ろ盾になった。

 当初から先発起用の可能性も口にしていた栗山監督は「イメージ通り。幅が広がる」とたたえた。明日31日ロッテ戦(QVCマリン)にメンドーサが登板するため、外国人枠の関係で登録抹消の可能性もあったが、ロングリリーフとしての起用も含め残留。調子の上がらないクロッタを1度抹消することになった。

 人生初めてのお立ち台に「マウンドより緊張した」と苦笑い。記念のボールは「家に飾るよ」と、勝利の余韻に浸っていた。【本間翼】