日本ハム大谷翔平投手(20)が、プロの世界で「野球少年」に戻る。栗山英樹監督(54)は11日、札幌市内の北大病院内にある「ひまわり分校」を訪問後、大谷の交流戦での起用法について言及。6月5日からの阪神3連戦(甲子園)で登板する可能性が浮上した。現時点では流動的だが、コンディションに問題がなければ、“聖地”で打って投げての「リアル二刀流」が実現するかもしれない。

 大谷はあさって14日の西武戦(札幌ドーム)で1軍マウンドに復帰する。だが3、4月に1度ずつ右ふくらはぎをつっていることもあり、同監督は「(登板間隔を)空けるかもしれない。幅を持たせて考えている」と、すぐに中6日に固定してフル回転させることには慎重な姿勢。ゆとりを持ってローテを組んでいくことを示唆し、登板が「木曜日」からずれ込んでいくことになりそうだ。

 投手が打席にも入るセ・リーグ主催試合でこそ、大谷の「二刀流」は生きる。指揮官も「アウェーで投げさせた方がいいというのはある」と認めるが、一方で今季の日程は「戦略的に練りにくい」。結果的に、セ主催としては唯一週末に組まれている「甲子園での阪神戦」で、マウンドと打席に立つ可能性が高まった。

 大谷は花巻東時代の12年春、藤浪(阪神)の大阪桐蔭と対戦。投手としては投げ負けたが、右翼スタンドに先制本塁打を放っている。甲子園で「リアル二刀流」が実現すれば、そのとき以来。プロ野球ファンにも、高校野球ファンにも、大注目の一戦となることは間違いない。【本間翼】