阪神が執念で投手戦を制した。

 試合がめまぐるしく動いたのは最終盤だ。和田豊監督(52)の執念のタクトが光った。9回に先頭ゴメスが出塁すると代走荒木を起用。二盗を決め、二塁に投げた高城の悪送球で一気に三塁まで進んだ。福留がすかさず左犠飛を放って勝ち越し点を奪うが、土壇場の9回に能見が同点打を浴びた。

 振り出しに戻ったが、延長10回に再び福留が打席へ。3四球で2死満塁と攻め立て、安部が投じた初球をたたいて中前に運んだ。2点適時打で勝負あり。和田監督も「四球3つか。読みだよね。初球を(ストライク)取りに来るという。昨日、嫌な負け方をしている。今日は何としても止めないといけないゲームだった。気持ちは入っとったけど…。気持ちは入っとった!」と話し、バスへと引き揚げていった。