どんだけ~! ぶっ飛びの2発だ。ソフトバンク柳田悠岐外野手(26)がDeNA戦で、横浜スタジアムのスコアボード上部に直撃する推定150メートル弾を放った。延長11回は勝ち越しスクイズ直後、今度は弾丸ライナーでこの日2本目となる13号ソロ。破壊力満点のギータ弾が、ハマの夜空を彩った。

 スコアボードがなかったら、どこまで飛んでいたのだろう。柳田が横浜スタジアムのスコアボード上部に直撃させる超特大150メートル弾を放った。1点を追う6回、1ボールからDeNA三浦の外角131キロスライダーを逃さなかった。

 背中にバットがつくほどのフルスイングで捉えた打球は夜空へ伸びていった。バックスクリーンのはるか上、DeNAの3番二塁石川の名前が表示された左横にドスン! 直撃部分のビジョンはしばらく黒くなり、映像が映せない状態になった。

 「見ました。(画面の黒い部分を見て)分かりやすかったですね。あそこまで飛んだかって。真芯というわけじゃなかったんですが。風でしょ。気持ちいいですね」と笑った。完璧ではなくても150メートル飛ばす怪物ぶりを横浜のファンに見せつけた。

 トリプルスリー(3割、30本、30盗塁)を目指す今季、4月まで本塁打は4本だったが、5月は7本とペースアップ。「今季は打率2割7、8分でもいいから、30発を打ちたい」と開幕直後に話していた。その打率はチームトップの3割6分1厘。「本塁打を狙ってもいいことはない。自分のスイングをすることだけです」。しっかり捉えれば勝手に飛んでいく。昨年より大きく進歩している証拠だった。

 スクイズで勝ち越した11回には弾丸ライナーで右翼席へダメ押しの13号ソロ。今季2度目の1試合2発にも「たまたまです」。昨季の自己最多15本塁打まであと2本。このままいけば35発ペースだ。

 4時間11分、今季9度目の延長戦を総力戦で競り勝った。工藤監督は「バックスクリーンを越えた人っているの? 明日(4日)期待してしまいますね」。怪物ギータのバットには、指揮官もファンも規格外の打球を期待してしまう。【石橋隆雄】