DeNA中畑清監督(61)が“安全第一”を訴えた。先発山口俊投手(27)を送り出した西武戦は、試合前から雨が降り、予報も悪い中でプレーボールがかかった。「試合が始まれば審判の判断。不安があれば聞きたいし、危険度が高い中でプレーさせるのは、こちらとしては不安がある」。1回表途中に26分間、4回終了時も26分間、5回終了時も7分間と、3度で計59分間の中断をはさみ、ゲームが進んだ。

 中断のたび中畑監督は、雨空に視線をやりながら審判団に話し合いを持ちかけた。「中断した時と(再開時の状況が)あまり変わっていなかったからお伺いを立てた。でも審判からは『こちらの判断です』と言われた」と説明。結局、5回降雨コールドを宣告され「引き分けで良かったよ。これで白黒ついていたら、どっちにしても後味が悪い」と胸をなで下ろした。

 山口は5月29日ロッテ戦(QVCマリン)の前回登板も雨の中での登板だった。その試合では中継ぎの長田が、雨でぬれたボールで指を滑らせる暴投で勝負が決したという経緯もあった。

 中畑監督は「もし滑ったら危ないし、敏感になっていた部分はある。安全の中で正々堂々とプレーさせたい」。初回の3失点から同点に追いつき引き分けに持ち込んだが、雨の中では勝負の醍醐味(だいごみ)は発揮できなかった。【為田聡史】