さあ、メモリアルウイーク到来-。中日は和田一浩外野手(42)の通算2000安打まで「5」と目前に迫る中、今日9日からロッテ、楽天と交流戦を締めくくるビジター6連戦。今週中の達成が濃厚な状況だ。遠征出発前の8日、本人は平常心を強調したが、一方で「Xデー」の登板に当たる可能性もある大野が緊張感を高めるなど、ナインにとっても負けられない戦いが始まる。

 千葉への出発前。ナゴヤドームに所用で訪れた和田は柔和な表情で話した。

 「いつも通りですよ。特別な感じはない。明日の試合に備えるだけ。まあ(達成は)早ければ早いほどいいし、打てるに越したことはないですけどね」

 記念週間は最高の相手から始まる。9日のロッテ先発は西武時代に同僚だった涌井。過去4度の対戦で11打数6安打の打率5割4分5厘。4打点、1本塁打と抜群の相性だ。「今年はすごく調子がよさそうだし、簡単に打てる投手じゃない。今まで打っているのはたまたまですよ」と笑った。

 楽天戦の仙台は東北福祉大で過ごした地。順調なら地元ナゴヤドームでの達成はできないが、深い縁のある杜(もり)の都での達成もあり得る。

 ナインも緊張感を高めてきた。「監督のときは負けてしまいましたからね」。ロッテ3戦目の先発が有力な大野は、自分が投げていなくても鮮明に覚えていた。13年5月6日の神宮。同点の6回に谷繁の2000安打で祝賀ムードに包まれたが、直後に4失点。谷繁は「負けてしまったのが…」とコメントした。二の舞いは避けて、二重の喜びとしたいところだ。

 大野は5月4日の阪神戦(甲子園)で谷繁兼任監督が27年連続本塁打を放った試合で勝ち投手になった。「あのときは絶対に負けられないと思った。もちろん和田さんのときも勝たないといけない」。ロッテ戦に先発予定の山井も「千葉は久しぶりだけど悪いイメージはない」と静かに闘志を燃やした。

 交流戦は全4カード勝ち越しできず、借金5とチーム状況はよくないが、前日7日の勝利で王手をかけた球団通算5000勝、そして和田の2000本が控える。記念の1週間にふさわしい結果を携えて、名古屋に戻ってきたい。【柏原誠】