積み上げた貯金が音を立てて崩れていった。DeNAが延長サヨナラ負けで日本ハムに競り負けた。最後の最後で力尽きた。7番手で登板した国吉が、2死二、三塁のピンチを招くと、フルカウントからの7球目を暴投。痛恨の決勝点を献上し、今季ワーストとなる泥沼の8連敗。中畑清監督(61)は「バッテリー間の中で戦わずにして相手に点を取られている。戦わずにして負ければ何連敗でもしてしまう」と今季最長の4時間45分に及んだ死闘を総括した。

 負の連鎖が止まらない。先発した山口は5回11安打5失点とゲームメークできずにKOを食らった。2番手小杉も2失点と傷口を広げ、劣勢ムードでの戦いを強いられた。交流戦前までの驚異的な快進撃から一転、パ・リーグ相手に黒星が連なり、ここまで5カード連続の負け越し。この日の敗戦で2試合を残し、2年ぶり5度目の交流戦最下位も決まり「現状として受け止めるしかない。もう、なんだかんだ言う言葉もないし、みんなで戦っていく。それしかない」と指揮官。

 投手陣は今季ワーストの被安打19を浴びるも、打線は連敗脱出の糸口をつかみつつある。同点の3回に不振に苦しむ3番梶谷に9戦ぶりの1発が飛び出し、4番筒香も3安打猛打賞。梶谷は「個人的には(復調の)兆しが見えた」。筒香も「勝っているときのようにイケイケムードでやるのも必要」とナインに呼びかけた。

 大失速の8連敗を喫したが、最後の貯金が、まだ残っている。首位巨人も敗れたためゲーム差も1・5のまま。中畑監督は「明日止めるという強い意識を持って、何としてでも1つ勝ちゲームを作れれば、また上がっていける。明日また頑張ります」と締めた。【為田聡史】